歯周予防
歯周病ってどんな病気?
現在、歯を失う原因のほとんどは、虫歯をおさえて歯周病がダントツの1位です。
その中でも30代〜40代以上の中高年の方が最も歯周病で歯を失っている傾向にあります。
歯周病とは、歯の周り(歯ぐきや歯を支えている骨)が炎症を起こしてしまう病気で、歯磨きの際に出血したり、歯茎が腫れたりしてる場合は歯周病の可能性が高いです。特に症状を感じていない方でも歯周病は進行している場合が多く、自覚症状が少ないことも歯周病の怖いところです。
気づかない内に、歯を抜かなくてはいけないくらい病状が進行してしまっていることも少なくないため、できるだけ定期検診などを受け、プロによる歯のチェックやクリーニングをおすすめしています。
簡単歯周病チェックシート
- 歯ぐきが赤く腫れている
- ブラッシングをすると血がでる
- グラグラと安定していない歯がある
- 歯ぐきが下がり、歯が長くなった気がする
- 歯と歯とすき間が広がった気がする
- 口の中がネバネバとべたついている
- 寝ている時に口が開いている
- 口臭が気になる…
歯周病と全身疾患の関連性
糖尿病と歯周病
歯周病が悪化すると、インスリンの作用を妨げる性質もある炎症性因子(TNF-αなどのサイトカイン)が持続的につくられるようになります。そのため、糖尿病になってしまったり、既に糖尿病を患っている方の進行を速めてしまう原因になると言われています。
心臓病と歯周病
歯周病菌が血液に流れ込んでしまうと、血液の流れによって全身に歯周病菌がまわってしまうことになります。歯周病菌が心臓の内膜に付着してしまった場合は心内膜炎や心筋梗塞、狭心症などの原因となる可能性があります。血管に付着してしまった場合は動脈硬化など、歯周病菌は心臓病の危険性も高める要因のひとつと言われています。
妊婦と歯周病
妊娠中はホルモンの変動など大きな体調の変化があります。したがって、歯ぐきが腫れやすくなったり、口腔内が酸性化して虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。また、虫歯菌・歯周病菌が胎盤や子宮に感染すると、子宮の収縮などに作用する物質が発生し、胎児に影響を及ぼすといわれています。妊娠中に虫歯や歯周病になると、低体重児や早産になる可能性が高いと言われておりますので、できるだけ放置せず、早期に治療をするよう心がけましょう。上記は喫煙やアルコールを摂取するよりも大きな影響があると言われています。
誤嚥(ごえん)性肺炎と歯周病
ご高齢の方や寝たきりの方や脳卒中や後遺症によって飲食物の飲み込む力が弱い方は、「誤嚥性(ごえんせい)肺炎」を発症しやすい傾向があります。これは飲食物や唾液が、気管に誤って入ることで引き起こされる肺炎で、一緒に流れ込む歯周病菌もひとつの原因であると考えられています。